これから私の行く道に高齢者がいる場所にいたい、それがこの仕事に就いた理由

塚田香織
私の実家は寿司屋を経営しており、子どもの頃の私からすると、おじいちゃんやおばあちゃんという感じのお客様がよく来られていました。一緒にお茶を飲んで話をしたりすることが日常的で、私は高齢者が大好きな人間になってしまいました。今、こうして仕事をしていても感じることなんですが、私たちは人と接する時に、表情や声のトーン、話し方など様々な要素でその人を感じ、選んでしまう傾向があると思います。しかし、高齢者の方々は、それは長い人生経験があるからでしょうか、それを超越していて、人を受け止め、受け入れる方が多いと常々感じます。仕事をしている私が本来そんなことを気遣いして頂くのはよくないのですが、落ち込んでいる様子に気づかれた時に「大丈夫」と声をかけて下さいます。子どもの頃、大好きだったおじいちゃん、おばあちゃんが自分の行く道、行く道にいる場所で働きたい、そう思ったのが介護の仕事に就いた私の動機です。

「一日一笑」を進んで実行し、ご利用者様もスタッフも笑いの絶えない施設にしたい

介護の仕事の楽しいところは、仕事が始まる5分前にあります。ご利用者様と何気ない会話をする時間です。「今日は、風がきついですねえ」、「今日は暑くなるそうですよ」、「よく眠れました?」とこんな感じで接しています。これは、ご利用者様と一緒にリラックスできる大切な時間で、今日も一日がんばるぞって気持ちになれる瞬間です。そして、何よりも、仕事モードでない会話から気づくことがたくさんあり、結果として仕事としてご利用者様と接する時に適切な対応が可能になり、そのことでご利用者様が喜んで下さることに繋がることが増え、充実した気持ちで仕事に取り組むことができます。それと、それぞれ皆さん一人一人違うということを意識して仕事ができることです。例えば、認知症のご利用者様に対して、それぞれの世界観に入っていくことも大事で、家族構成、経験、職業、歩んで来られた歴史などバックボーンが異なるので、やはりそういう情報を得て、様々な切り口から関わっていき、一人一人のその人らしさを考えながら仕事できるのが楽しいです。ご利用者様を大切にしていると、ハッとすることが多いのですが、いつの間にか自分が大切にされていて、癒されていることがあります。「こんな私なのにありがとう」って気持ちになります。私は「一日一笑」を心掛けています。ご利用者様もスタッフも楽しませたい、そして「笑い」が伝染すれば、笑ってくれるご利用者様も、スタッフも増え楽しい場所になると思うからです。

ご利用者様の最期にお礼が言いたい、そして、看取り介護の質を高めていけるような存在になりたい

この施設に来てよかったのは、ご利用者様をよく観察し、しっかり仕事をしている真似をしたくなる職員がいることです。そして、子育てを経て、キャリアを積んで現場で活躍女性がおり、私もそうなりたいという気持ちになれることです。だから、この先、働いていくうえでのイメージに不安がほとんどありません。それと、この施設は、看取り介護に力を入れています。私は、ご利用者様の最期こそ関わりたいと思っています。それは、私はこの仕事をして感じることは、私の存在価値はご利用者様がいて下さってこそです。だから、最期の瞬間にお礼が言いたいという気持ちです。昔話をご家族とされている時、私もまるで家族の一員のような気持ちになります。そして、ご家族から元気にさせてくれてありがとうと声を掛けられれば、達成感だけでなく、やりがいを感じさせて頂けます。やはり、ご利用者様に「ありがとうございました」という気持ちで関わりたいと思っています。看取り介護をもっと学び、掘り下げて考えて、この施設の看取り介護の質を高めていけるような存在でありたいと思います。