ご利用者のちょっとした変化をチーム全体で意識し、伝え合うことが大切

桜町聖ヨハネホーム
布川あづさ

私は子どもの頃から人に限らず、動物や植物も含めてお世話をすることが大好きでした。おばあちゃん子だったので、明治・大正の人の話が好きでした。高校生の頃、養護学校との交流会に参加し、福祉の世界に触れる機会がたくさんにあり、そういういろいろなことが私を福祉の現場で働くきっかけを作ったような気がします。この仕事を始めた頃は、業務をこなしていくことに一生懸命で、怖さをあまり感じずに、できることが増えるのが楽しいという感じで日々を重ねていたように思います。この仕事について深く考えるというところまで行ってませんでした。しかし、経験を積んでくると、ちょっとした変化に怖さを痛感するようになりました。例えば、高齢ではあるが元気なご利用者が、突然お亡くなりになるという現実があります。想定していないようなことが突然起こります。ご利用者のちょっとした変化、いつもと違う仕草など緊張感をもって接していく必要がありますし、様々なことを想定しながら事を運ぶことも大切です。私は課題を抱えた時は、主に上司に相談し、他のスタッフはどのように感じているかを聞きながら、振り返って自分自身の考えをまとめるようにしています。何よりもチーム全体でそういう意識を持つこと、伝え合うことは大切だと思っています。

聴いて、受け止めて、その人を感じ、話さなくても、一緒にいて安心してもらいたい

この仕事の魅力は険しい表情をされていた方がケアを通じて優しい表情や気持ちよさそうな表情に変わるのを見ることができることや相手の気持ちを考えることで自分自身を振り返ることができることです。そして、ご利用者が最後の時を迎える際に、ご家族との時間に一員として参加させて頂けることです。こういう経験が、自分の仕事を通じてご利用者の一度の人生を豊かになってもらいたいという気持ちにさせられます。私は、相手の気持ちになって考えてみることを大切にしていますが、特に、自分や自分の家族を重ねて考え、「気持ち良いだろうなあ、嬉しいだろうなあ」という風に思える対応を心掛けています。この仕事をしているとご利用者に寄り添うという言い方をよくしますが、例えば、寄り添うにも積極的に話しかけるという寄り添い方もあれば、聴いて、受け止めて、その人を感じるという寄り添い方もあります。私は元々、受け身な性格ですので、どちらかというと後者のスタイルで接することが多いです。話さなくても、そこに一緒にいて、安心してもらいたいと思っています。人それぞれ生活背景も違えば、タイプも違うので、一緒にいる居方も違います。そうやって接している中で、幸せそうな表情をなさった時には、「今、私はこの方の世界にお邪魔しているんだなあ」と感慨深いものがあります。

一緒に過ごした人が、気を抜いて話し、ほっとした時間を作ってあげられる存在でありたい

今後、何かチャレンジしていきたいというものは特にありません。ただ、今に満足しているわけでもありませんし、今が完璧だなんて全く思っていません。社会も変化し、介護の知識や技術も変化していくわけですから、私自身が与えられた仕事を、求められている成果に繋がっていくように、いかに応えられるかということを努力し続ける人間でありたいと思います。そして、それは、同時に自分自身が最期を迎える時に悔いのない毎日を過ごしたと思えるようになることだと思います。一緒に過ごした人が、それがご利用者であれ、そのご家族であれ、共に働く仲間であれ、気を抜いて話してくれること、ほっとした時間を作ってあげられる存在でありたいと思います。