“いまを生きている実感”が持てる過ごし方をしよう!

小金井市立本町高齢者在宅サービスセンター
センター長 山極 愛郎(ヤマギワ ヨシロウ)
 小金井市立本町高齢者在宅サービスセンターは、武蔵小金井駅より徒歩6分。けやき通りに面し、介護保険制度にもとづくデイサービス(一般型通所介護・認知症対応型通所介護・総合支援事業)と小金井市からの委託事業(食の自立支援事業、家族介護者継続支援事業など)を提供している単独型通所介護事業所です。
 デイサービスでは送迎車でご利用者様のお宅に伺い、センターにお連れいたします。センターでは、ご利用者様の有する能力に応じた趣味生きがい活動などへの参加や、その方が必要としている移動、移乗、食事、入浴、清潔整容、排泄などに係るケアを提供しています。また、受託事業の食の自立支援事業は、安否確認を兼ねた配食(夕食)サービスの提供、閉じこもり予防のためのいっぷくカフェ、活動会食会を開催しています。

「ご利用者様も職員も、“いまを生きている実感”が持てるような過ごし方をしよう!」を大切に

 このように、私たちの活動はさまざまありますが、活動の基本に、「ご利用者も職員も、“いまを生きている実感”が持てる過ごし方をしよう!」をスローガンとして掲げ、それを実現するために、
●活動がルーティーンとならないように工夫をする。
●日常生活リハビリ(起居動作)を大事にする。
●ご利用者様の希望や要望をお伺いし、行事企画に反映する。
●コミュニケーションの基本に「共感」を大切にする。
などに取り組んでいます。
 また、そのほかの特筆すべき活動としては、FS(フィッティングサポート)※をヨハネ会の理念を具現化する実践として位置づけ、FSのニーズがある人に対し受診介助、ゴミ屋敷の清掃、短時間利用、緊急入浴サービス、早朝利用・延長利用などの支援を行っています。

「やってよかった!」・・・感動や発見の中で楽しく有意義だったと感じとれる人生にしたい

 私たちが一緒に働きたい人は、まず、私どもの理念「病める人、苦しむ人、弱い立場の人に奉仕する。」
に共感して頂ける方です。何事も自分事として受け止め、考え、発言し、行動できる人。そして他者に対する尊敬や感謝の気持ちを持ち、謙虚な姿勢で人と接することができる人です。
そんな仲間と一緒に家族やコミュニティの福祉を追究できる職場をつくりたいと考えています。そのためには、家族やコミュニティが必要としていることを理解し、共感し、課題解決に取り組むことができる人財づくりに力を入れてゆくことが目下部門全体の課題となっています。
 福祉の現場では私たちがご利用者様を支えていると捉えがちですが、実際は私たちこそがご利用者様に支えられていることも少なくないと感じています。だからこそ、私たちはご利用者様の側に立った視点で自分達の日頃の支援を常々点検することが大事で、相手目線で考えることを習慣化できるように声かけしあっています。そして、私たち自身も自分自身の限りある生命の時間を人のために捧げて仕事をしているので、「この仕事に就いてよかった!」と思えるような支援をすべきと考えています。なので、先輩たちから教わったやり方をただただ踏襲し、努力も工夫もなく、日々「今日一日無事終わった。」というだけの支援に終始しては勿体ない生き方だと感じており、私たち自身もまた感動や発見の中で楽しく有意義だったと実感できるよう日々の支援に勤しんでもらいたいと考えています。

自分がやりたいことを提案し、みんなに喜びや楽しみを創り出すスタッフを支援したい

 本会に入職しての6年間は、高齢福祉部門の組織や財務改善に注力することが最優先課題でしたので、なかなか足元の本町センターの運営に十分関われないでおりましたが、今年から漸く少しずつ私自身がこれをやってみたいと思ったら率先してそれに取り組むことを始めています。
 その手始めに野菜づくりや梅シロップづくりを行いました。ご利用者様との野菜の収穫体験、その野菜を一緒に調理し食したり、梅シロップは、できあがったシロップでジュースをつくり飲んだり、残った実でソースをつくってゼリーにかけて食べたり・・・。一つの取組みのなかに「育てる喜び」、「収穫する喜び」、「調理する喜び」、「食べる喜び」などいくつもの喜びを見いだすことができます。そして、その喜びは世代を超えてみなで分かち合うことができます。そんなところからまずは自分自身が提案し、実行して見せ、皆が感じてくれるようになってもらえると次に繋がるのではないかと考え、取り組み、職員の取組みの足がかりになれば良いと期待をしています。
 そして将来的には、このような生活に密着したなにげない日常の活動が、職員やご利用者様だけでなく、コミュニティの様々な方々からも支援いただき、「私支援する人」「あなた支援される人」の関係の根本的な見直しにつながり、ともにこれまでを生き、そしていまを生きる者同士認め合い、支えあい、出会ってよかったね!と言える関係づくりに発展すると良いなと考えています。
 そのようなわけで、こうした視点もあって私は、地元のけやき通り商店会長とともに「みんなの安心ささえ愛ネット」を立ち上げ、町会や商工会、町づくり観光協会、NPO法人、カフェの代表の方々、福祉医療介護の諸機関や専門職の皆様などとともに、みまもりあい・ささえあいの互助・共助を可能とする町づくりの取り組みにもチャレンジしているところです。
以上のように、私たち本町センターは介護保険法にもとづく通所介護サービスの提供に留まらず、福祉のまちづくりへの参画やFSの実践支援事例の積み重ねをもって、社会福祉法人の存在意義や施設のあり方について検討をすすめて参りたいと考えています。
そしていつの日か、社会福祉法人の歴史的役割がそうであったように、FSの実践から新たなサービスや制度が創設されたり、制度施策の縦割り弊害を克服して、全体としての家族の福祉を実現できるような支援機関を創設できたらいいなぁと密かに期待しています。

※人としての尊厳が守られた生活が営めるよう、個別のニーズにサービスが適合できるよう信頼関係の構築とサービス・フィッティングを行う福祉サポートを『フィッティングサポート』(以下「FS」と略す。)と定義